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◆ 我が家の愛犬ケンケンの想い出



この写真は、2005年10月20日に撮影しました。
当時住んでいたBC州ケロウナ市の ミッションクリークパークです。
とっても良いアングルで撮影できた私のお気に入りの一枚です。


ケンケンは、散歩が大好きな犬です。
でも、毎日決まった散歩のコースよりも、もっと好きな場所があります。

ケンケンは、その場所まで車で行くことが大好きなのです。
とにかく車に乗ることが大好きで大好きで。

秋晴れが続く季節になると、私たちはこの写真の場所にケンケンを連れて行きました。
車で10分ほどのところにある、ミッション・クリーク・パークという自然公園です。
川が流れ、その両岸はご覧のように遊歩道になっています。

「ケンケン! ミッション・クリーク・パークに行こうか?」

妻のその言葉に、ケンケンは耳をピンッと立てて反応します。

「また行くのかぁ・・・?」
と、いつも私は少々、面倒に感じることが多かったのです。

ケンケンを車に乗せると、車内にケンケンの毛が残ります。
仕事柄、お客さんを車に乗せることが多かったため、
その後の掃除が大変なのです・・・

だから、私はいつも 「面倒だなあ・・・」という気持ちになっていました。

そんな私を誘うように、ケンケンはいつも以上に尻尾を振ります。
その表情は、とても嬉しそう!楽しそう!なのです。
その顔を見たら、私の重い腰も上がるんですよね。

ケンケンは、記憶力と方向感覚がすごく優れている賢い犬でした。
車に乗って、どちらに向かうのか?
それによって、行き先を敏感に理解します。

ミッション・クリーク・パークに行くんだ!と分かったときには、
それはそれは、嬉しそうで・・・

公園内の駐車場に車を止め、ドアを開けると、
ぴょーーーん!と大きくジャンプして、飛び出します。

妻は、引きずられるようにケンケンに引っ張られていきます。
これも、毎度毎度の光景でした。


秋になると、この公園の木々は一斉に色づき始めます。
カナダ西部の自生樹は、紅葉にならずに、黄葉になります。
ですから、見渡す限り、黄金色に染まる景色になるのです。

黄金色に染められた遊歩道を、ずんずん、ずんずんと歩くケンケン。

このときのケンケンは、9歳だったんですよね・・・
壮年期が終わろうとする年頃でしたけど、まだまだ青年と同じでした。

とにかく散歩が大好きで、良く歩きました。

ケンケンが車に乗って出かける散歩コースはいくつかありました。
その中で、一番気に入っていた場所が、
この ミッション・クリーク・パーク だったと思います。

夏は暑くて、行きませんでしたが、
毎年秋になると、黄葉が終わるまで、何度か通った思い出の場所です。


2009年7月。
私たちとケンケンは、10年間住み続けたケロウナ市から
バンクーバーに引っ越しました。

「バンクーバーにも、たくさんの公園があるよ!」
「ケンケンのお気に入りの公園をバンクーバーで見つけよう!」

そう言って、私たちとケンケンはバンクーバーに移り住みました。
でも、ケンケンは最初から少し寂しげでした。

「やっぱり、ミッション・クリーク・パークが好きなんだなあ・・・」
「それじゃ、また来よう!バンクーバーから遊びに来ればいいよ!」

ケロウナとバンクーバーの距離は、車で片道4時間半ほどです。
車に乗ることが大好きなケンケンにとってみれば、
この距離を往復するのは、楽しいドライブ旅行そのものです。

「よーし! 落ち着いたらケロウナにドライブに行こう!」
「またミッション・クリーク・パークを歩こう!」

そう言っていたのに・・・
ケンケンもその約束を楽しみにしていたはずなのに・・・

もう二度と、ケンケンと一緒にこの公園を歩けないなんて・・・
こんな日が来るなんて、ちっとも考えたことが無かった・・・




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