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◆ 我が家の愛犬ケンケンの想い出



この写真は、2001年12月に撮影した写真です。
つい、この前のことのように思い出されます。

この写真、私とケンケンですけれど、
なんかとても癒されるんですよね。

そんなケンケンが、我が家の家族になった経緯をご紹介します。



実はケンケンは、メスなのです。

「えっ? ケンケンだからオスだと思っていました」

そう言わることは、数え切れないほどありました。
そうです、ケンケンはメスなのです。
それでは、どうしてメスなのに ケンケン なのか?

それは、私がケンケンと最初に出逢ったときの
ちょっとしたエピソードが原因なのです。


1997年1月初旬。
場所は長野県千曲市です。

当時、私が勤務していた会社に、知り合いの叔父さんがやってきました。
この叔父さんは、親戚じゃないのですが、不思議なご縁のある方です。

Kさんと言います。

私の祖母と、Kさんのお母様は、旧制女学校時代からの大親友です。
私の祖母はまだ健全で92歳になります。
Kさんのお母様は数年前に他界されました。

祖母に育てられた私は、Kさんのお母様に、物心ついた頃から
とても可愛がって頂いてました。
祖母の時代から深いお付き合いをさせていただいているのが
Kさんご家族です。

そのKさんが、1997年の正月明け早々に私を訪ねてきたのです。

「ねえ、修ちゃーん」
と、良い年したおっさんが、ちょっとニヤけた表情で私の顔色を伺ってきました。

「どうしたんですか? Kさん」
「ねえ、修ちゃん・・・ あのさー、犬要らない?」
「犬? 犬ですか?」

私はすぐに断りました。
私は犬は大好きです。
一度、飼ってみたい!と思っていました。
それは小学校の頃からの夢でした。

でも、その当時、狭い小さなアパートに妻と二人で暮らしていましたので、
面倒は見れるのだろうか? という疑問がすぐに頭の中をよぎりました。

私と妻は仕事をしていましたから、日中はアパートを留守にしてしまいます。
それに、アパートはペット禁止という厳しいルールがありました。
ですから、犬が好きな私でも、飼うことはできませんでした。

私は、Kさんに事情を話して断りました。

「まあ、そう言わずにさ、ちょっと見るだけ見てよ!」
「見るだけですよ、飼いませんからね!」

Kさんの後について、駐車場に向かいました。
Kさんは、トランクを開けました。

すると・・・

トランクの中に、段ボール箱があり、その中に4匹の子犬がいたのです。

「どうしたんですか? この仔犬たちは?」
「いやあ・・・ 家の犬が産んじゃってさー」

私は、茶色の仔犬に手を伸ばしました。
茶色の仔犬は、私を怖がっているのか、嫌がっているのか、
私の手から逃れようと必死でした。

私は、茶色の仔犬を諦め、隣の黒い仔犬に手を伸ばしました。
しかし、結果は同じでした。

次に、その隣の白と茶色のブチの仔犬に手を伸ばしました。
しかし、結果はやはり同じでした。

残りは、白い仔犬です。
「白い体は、汚れが目立つからなあ・・・」
私は、ほとんど興味を失いながらも、白い仔犬に視線を移しました。

白い仔犬は、黒く丸い目で、じーーーーーーーーーーーーーっと
私を見上げていました。

「んっ?」
この白い仔犬は、私を怖がっていないのだろうか?
私は何気なく手を伸ばしました。

白い仔犬は全く抵抗せず、まったく自然に私の両手の中に納まったのです。

でも、飼うことにはためらいがありました・・・
責任を持って面度を見られるのだろうか? という不安です。

「やっぱりダメですよ、私には飼えないですよ」

私は事情をKさんに説明しました。

「そっかーー。じゃ、しょうがないな。処分するか・・・」
「えっ? 処分って・・・」
「仕方ないよねー。家じゃこんなに飼えないからねえ・・・」

私は背筋がゾッとしました。
もちろん、これはKさんの作戦だったということは後で分かりました。

私は覚悟を決めました。
「この白をください!」

Kさんは、にんまりと笑いながら、

「修ちゃーん、一番良い犬を選んだねえ」
「本当ですか?」
「ああ、本当だよ。そいつは大人しいからね。良い犬だよ」
「大人しくて良い犬なんですか?」
「ああ、そうだよ。吼えないからね」
「吼えない犬なんですか?」
「ああ、そうだよ。賢いよ」
「賢いんですか?」
「ああ、とっても賢いよ」

Kさんのにんまり度は、ゆっくりでしたが、その表情に深く表れてきました。
Kさんは、もう一押しだ!と思ったのでしょう。

「Kさん、私はオス犬なら、飼っても良いかな? って思うんですが・・・」
「そうだねー。メス犬は子供を生むから大変だしねえ」
「この白い仔犬はオスですか?メスですか?」
「そいつはオスだよー」
「オスですか?」
「そうだよー。オスだよー」
「そうか・・・ この子はオスなのか・・・」
「そうだよー。オスだよー」

私は、白い仔犬の股間を確かめました。

「修ちゃーん、仔犬の股間を見ても判断は難しいよー」
「Kさんは、分かるんですか?」
「分かるよー。そいつはオスだよー」
「そうですか。オス犬かぁ・・・」
「そうだよー。オスだよー」

「賢くて大人しくて吼えないんですよね?」
「そうだよー。賢くて大人しくて吼えないオスだよー」


そして私は、Kさんを信じて、白い仔犬を貰うことに決めました。
段ボールの中に入った白い仔犬と対面してから、わずか10分ほどの出来事でした。


それから、数ヵ月後。
私と妻は、我が家の子になった白い仔犬を動物病院に連れて行きました。
仔犬の検診のためでした。

獣医さんが、慣れた手つきで白い仔犬の身体を丁寧に診察してくれました。

「大丈夫!健康でしっかりしたメス犬です!」
「メメメメメメメメメ、メスーーーーーーー?」

私は仰天しました。


Kさん! 話が違うじゃないですか!
もう、名前も決めてしまったんですよ!

ケンケン って・・・・

今さら、名前を変えるのも嫌だしなあ・・・
というワケで、ケンケンはメス犬なのです。


でも、Kさんの言ったことに嘘はありませんでした。
雌雄の別を除いた、他のことは全てその通りでした。
大人しく、賢く、吼えない、というのは全くその通りだったのです。

こうして、私たちは生後3ヶ月のケンケンと出会い、この日から
我が家の家族として一緒に暮らすことになったのです。

1997年1月初旬に、ケンケンは私たちの家族になったのです。




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