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◆ 我が家の愛犬ケンケンの想い出
この写真は、1997年3月 に撮影した写真をスキャンしたものです。
ケンケンが生後5ヶ月くらいでしょうか。
ケンケンが我家の家族になって3ヶ月くらいのときです。
このとき、所用で群馬県の高崎に行く用事があり、ケンケンもいっしょに連れて行ったんです。
ケンケンは小さい子犬でしたから、いつも私が片手でヒョイッと抱えて
問答無用で車に乗せてしまいます。
ケンケンは車に乗ると、いつもいつも不安そうでした。
この写真でも分かるように、助手席の妻の膝の当たりで、不安気な表情を見せています。
車に乗ると、ケンケンが不安になってしまうのには理由がありました。
私たちにケンケンを授けてくれた、ご近所のKさん。
そのKさんの家で、ケンケンは生まれたのです。
Kさんは、自宅の犬(ケンケンの親)が生んだ仔犬たちをダンボールに入れ、
車のトランクに乗せて、知り合いを訊ねまわっていたのです。
「誰か~ 犬いらない~?」
って、でも、すぐに貰い手が決まるわけがありません。
その日、貰い手が見つからなければ、ケンケンは他の兄弟たちといっしょに
Kさんの家に連れ戻されました。
そして、翌日また段ボール箱に入れられ、車のトランクに乗せられていく・・・
そしてまた、貰い手が見つからずに帰宅し、また翌日車に乗せられて・・・
こんなことを何度も繰り返したんでしょうね・・・
それでケンケンは、すっかり車に乗せられることに
恐怖と寂しさを覚えるようになったのだろうと思います。
ケンケンが我家の家族になったその日から、ケンケンはすごく幸せそうでした。
私の横でいっしょに寝転がってテレビを見て、寝るときも同じ布団でいっしょに寝ていました。
ケンケンはすごく幸せだったんです。
ところが、車に乗せられると、すごく不安になるんです。
「どうして? ボクは捨てられちゃうの?」
「どうして? ボクは邪魔なの? もう要らないの?」
「お家に帰りたい! ねえ、帰ろうよ・・・」
いつも、そんな表情で私を見つめてきました。
「大丈夫!ケンケン。今日はドライブだよ!」
そう言って、私はケンケンを出来るだけ車に乗せるようにしました。
当時、私は冬のシーズンは週に2日間、スキー場に営業に行っていました。
勤務先の店からスキー場まで、車で片道2時間半ほどでした。
店を出ると、自宅に戻り、ケンケンを片手で抱き上げました。
「さあ!行くよ。今日はスキー場だよ」
私は助手席にケンケンを乗せてスキー場に向かいました。
ケンケンを車に乗せる回数をできるだけ多くしたせいで、
いつの頃からか、ケンケンは車に乗っても不安な表情をしなくなりました。
車に乗っても、必ず家に帰れるんだ!
ボクは家族として迎えられているんだ!
という安心感があったんでしょうね。
それからのケンケンは、車に乗るのが大好きになったんです。
とにかく車が大好き!
ドライブが大好き!
車に乗るときは、分かるんです。
「ケンケン! 今日はドライブだよ! 車に乗るよ!」
と言うと、本当に分かるんですよね。
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